MBTI(16パーソナリティ)の結果から明らかになることの一つとして、自分の人間的な成長方針(成長する心理機能)が挙げられます。
長所や短所を理解し、どのような点に注意しながら精神的成長をすればよいかを教えてくれます。
INFP(仲介者)が発達させる心理機能の順番は、Fi(内向的感情)、Ne(外向的直観)、Si(内向的感覚)、Te(外向的思考)です。
年齢や経験と共に下位の心理機能を発達させることでパーソナリティの弱みを克服していくことができます。
ここでは心理機能を追いながら、INFP(仲介者)の人間形成を考えてみたいと思います。
Fi(内向的感情)の発達
INFPは、Fi(内向的感情)を第一機能に持っており、幼少期はこの機能が優先的に発達します。
Fi(内向的感情)の特徴は、他人がどう思うかは関係なく「自分がどう思うか」を重視する点です。
例えば、世の中で大流行している音楽を聴いても、自分は好きじゃないなと思えば、その曲に価値を感じません。
一方で、Fe(外向的感情)の持ち主は共感性に優れるため、「世の中で流行している=良い曲だ」と考えます。
精神的に独立し、「個」の発達が早いと言えます。
しかし、個の形成が早いことが欠点でもあり、他者に独自の世界観を否定されることを嫌うようになります。
客観的な視点で物事をみることが苦手になるとも言えます。
Fi(内向的感情)のもう一つの特徴は、感情を内側にしまい込むという点です。
人との対立を嫌い、人間関係のいさかいから生じたマイナスの感情を表現せずに溜め込みます。
そのため、感情の制御が効かなくなったり、時に爆発したりと精神的に不安定になることが多いです。
INFPは他人の感情にセンシティブであることから、より一層精神的な負荷が大きくなります。
Ne(外向的直観)の発達
Fi(内向的感情)の発達によって自分の世界観を醸成したINFPは、次にNe(外向的直観)の心理機能を発達させます。
Ne(外向的直観)の発達によって、身の回りの事象を概念的に捉えるようになります。
全体像を把握することが得意になる一方で、一つ一つを的確に詳細まで気を配ることが苦手になります。
これがINFPが注意力散漫と呼ばれる原因です。
しかし、持ち味である理想主義的な思考の源泉でもあります。
Ne(外向的直観)の作用によって、自分と周りの関係性を認識できるようになります。
ぼんやりと自分の立ち位置が理解できることで、思考の暴走を抑制し、状況に合わせて自分の考えを修正できるようになります。
おそらくこの記事を読んでいる方は、第二機能Ne(外向的直観)が十分に発達したか、過渡期かのいずれかであると思います。
このころから、INFP特有の短所・欠点を強く意識するようになります。
- 理想を求めすぎて現実を見ない
- 対立を嫌い、大多数の人を前にすると意見を言えない
- 一度に多くのことを対処できない
- 自分の世界観を否定されることに極端に抵抗を感じる
Si(内向的感覚)の発達
第三機能は短所・欠点を補うために作用する心理機能であり、かなり高度な自己コントロール能力を備えないと発達しません。
INFPの第三機能はSi(内向的感覚)です。
個人的な知識・経験を通して物事の知覚ができるようになります。
第二機能であるNe(外向的直観)と対で考えると良いでしょう。
Si(内向的感覚)によって、自分の限界や現実を受け止めることができるようになります。
どうしようもないことがあることを経験的に理解していくことができるでしょう。
Te(外向的思考)の発達
INFPの第四機能はTe(外向的思考)です。
感情的事項を優先しがちなINFPが最後に発達させる機能は、正誤を論理的に捉える力です。
第一機能Fi(内向的感情)を補完する役割を担います。
人や自分の感情を優先するだけではなく、論理的に行動すべきことを判断できるようになります。
まとめ
INFP(仲介者)は、理想主義的で芯の強い人です。
しかし、精神的な成長と共に多くの欠点に気づくでしょう。
それらを補う方法としては、第三機能(Si)と第四機能(Te)を発達させることです。
短所を補うことも大事ですが、あくまでもそれは必要以上に人に嫌われたり生きにくい状態にならないためです。
最も大切なことは、自分の良いところである長所を生かすことだと考えます。
INFP(仲介者)の方々が、自分を理解し、さらに活躍の幅を広げていけることを願っています。